私は、「あれ、私ばっかり喋ってしまったな…」と後悔したという記憶がありません。しかし、またこの人が自分のことをしゃべっているということはあります。そして、本当は別の人の意見や言葉が聞きたかったということがあります。これを「自分語り」と言うらしいです。そして、この自分語りの種類には、いくつかの種類があります。まず、自分では悪気がないのに、会話を乗っ取る「会話泥棒」というものがあります。そして、相手を困惑させる「過剰な自己開示」をするというのもあります。加えて、相手のサインを見逃す「自己中心的な焦点」になるというのもあります。そして、この無意識の「自分語り」が、人間関係を少しずつ遠ざけているかもしれません。
このブログでは、「自分語り」がどのようなものか、なぜ止まらないのか、人間関係の悩みや自己理解との関係などについて調べましたので、以下に説明します。
「自分語り」の背後にある根本的な心理
「自分語り」とは、会話のキャッチボールを無視します。そして、自分の経験や意見、自慢話などを一方的に話し続ける行動を指します。また、その背後には、満たされていない心理的な欲求が潜んでいます。
承認欲求(アピールしたい欲求)
- 「自分の存在価値を確かめたい」:自分の話を聞いてもらたい。そして、「すごいね」「よくやったね」と肯定的な評価を得たい。このような理由から、自己肯定感を補おうとしています。
- 「他人からの関心と注目」:他者に話を聞いてもらいたいと思っています。つまり、聞いてもらうことが「自分は関心を払われる価値がある人間だ」という証明になります。そのため、この欲求が満たされないと、話が終わりません。そして、さらに自分を大きく見せようと話が誇張される傾向もあります。
- マズローの欲求段階:人間の基本的な欲求である承認欲求が満たされていない状態です。具体的には、他者から認められたい、尊敬されたいという欲求などです。
不安耐性の低さ(沈黙への恐怖)
- 「場をつなぎたい」:沈黙を会話が途切れた、退屈しているとネガティブに解釈します。そして、その不安を打ち消すために、手っ取り早い自分の話題を差し出します。
- 自己開示のバランスの崩壊:親密さを増すための「自己開示」をしようとします。しかし、相手の興味やペースを無視した「過剰な自己開示」となります。そして、結果的に相手を遠ざけてしまう悪循環に陥ります。
自己愛の問題(自己中心的な焦点)
- 誇大性:自分の重要性や才能について、根拠のない、誇大な感覚を抱いています。そして、優越感を維持するために、会話の主導権を握ろうとします。
- 他者への関心の欠如:自分の話を聞いてもらうことで精一杯です。そのため、相手の話や感情、状況に関心を向ける余裕がありません。そして、会話を「情報を分かち合う場」ではなく、「自分の場」だと捉えしまっています。
自分語りが「止まらない」メカニズム
快感回路の作動
自分のことを話すとき、脳内の報酬系(ドーパミンなどの快楽物質)が活性化することが、神経科学の研究で示唆されています。以下の快感ループが作動します。そして、快感ループの作動により、話すこと自体が目的化し「止め時」が分からなくなります。
- 自分の経験や意見を話す→相手が聞いている→脳が「認められた」「心地よい」と認識し、快楽物質を放出→もっと話したいという欲求が生まれる。
会話のキャッチボール能力の欠如
自分語りが多い人は、相手の非言語的なサインを読取りが苦手か、無視する傾向があります。例えば、退屈そうな表情、視線が泳ぐ、相槌が減るなどが非言語的なサインです。
- 自分中心のフィルタリング:相手の反応を正確に捉えられません。そのため、常に自分の関心事や話したいことに焦点を当ててしまいます。
- 「聞く力」の未発達:人の話に自分のエピソードを被せてしまいます。これは、相手の話を理解しようとするより、自分の関連エピソードを思い出すことに意識が向いているためです。
「沈黙=危険」と感じる不安耐性の低さ
沈黙や会話の途切れを恐れています。そして、自分の話で場をつなごうとする心理が働いています。前章の2番目の項目の「不安耐性の低さ(沈黙への恐怖)」の内容が該当します。
具体的な行動と人間関係への影響
気づかないうちに相手を遠ざける3つのパターン
話し手が「自分を理解してほしい」「認められたい」という強い欲求が基になっています。そして、無意識のうちに相手への配慮を欠いてしまうことで起こりがちになります。ここで、自分語りが人間関係にどのような悪影響を及ぼすかについて説明します。
会話を乗っ取る「会話泥棒」
- どういうこと?
- 相手の話や話題が終わらないうちに、強引に自分の話にすり替えてしまう行為です。
- 例えば、相手が「先日旅行に行ってね…」と言い始めます。すると、すぐに「あ、私もこの前行って!」と自分の旅行体験を話し始めます。そして、元の話題に戻さないなどの結果になります。
- 相手に与える印象
- 「私の話には興味がないんだな」「聞いてもらえなかった」と感じさせます。そして、その結果、会話への意欲を失わせます。
- また、相手の話に自分のエピソードを被せる「マウンティング」にもなりかねません。
相手の興味を無視した「過剰な自己開示」
- どういうこと?
- 相手の反応や関心の有無を無視します。そして、一方的に個人的すぎる情報や長すぎる話を披露し続けることです。
- 相手がついてきていないのに、自分の専門分野の細かい話をします。もしくは、過去の複雑な人間関係の愚痴などを延々と話すなどをします。
- 相手に与える印象
- 「重い」「話が長すぎる」「プライベートに踏み込まれすぎ」と感じさせます。そして、精神的な疲労感や困惑を与えます。
疲弊する相手のサインが見えない「自己中心的な焦点」
- どういうこと?
- 自分が話すことに夢中になります。そして、相手が示している「聞くのに疲れた」サインに全く気づかない状態です。なお、聞くのに疲れたサインは、視線をそらす、相槌が減る、時計を見るなどです。
- 会話の中心が常に「私」です。そして、相手への配慮や質問が極端に少ない状態にあります。
- 相手に与える印象
- 「この人は自分のことしか考えていない」と感じさせます。その結果、一方的で自己満足なコミュニケーションだと認識されます。
「聞かれる人」になるための会話の技術
自分語りを減らし、より良いコミュニケーションを目指すための方法を示します。これらは、「話したい人」から「一緒にいたい人」「話を聞いてほしい人」へと変わることを目指しています。
自分の話は「まず質問してから」にする
- 行動のポイント
- 自分が何かを話したいとき、すぐに本題に入るのを一拍止めます、そして、まず相手に関連する質問を投げかけます。
- (例)「最近キャンプに行った」という話をしたい場合です。まず、「○○さんは最近何か楽しいことありましたか?」や「キャンプって興味ありますか?」と聞きます。
- 効果
- 会話の主導権を相手に渡し、聞く姿勢を示します。そして、聞く姿勢を示すことで、相手は「自分を尊重してくれている」と感じます。
- 相手の関心や気分を把握してから話せるようになります。そのため、会話が一方的になるのを防ぎぐことができます。
「私は~」を「あなたは~」に変える意識的な訓練
- 行動のポイント
- 会話時に、自分が主語の「私は~」などのフレーズの使用を意識的に減らします。代わりに相手に焦点にした「あなたは~」「どう思いますか?」を意図的に増やします。
- 「I(私)」の回数を数える訓練は、自己中心的な会話パターンを修正に役立ちます。
- 相手の話に意識を向けます。そして、「聞き手に回る時間」を意図的に設けます。
- 効果
- 会話のバランスが改善し、相手に話す機会と考える時間を与えることができます。
- 相手は「自分に興味を持ってくれている」と感じます。そして、あなたに対してより心を開きやすくなります。
承認欲求を「自己完結」させる方法
- 行動のポイント
- 他人からの賞賛や同意を求める前に次のことを行います。自分の行動や考えに「よくやった」等と自分で認め、評価する習慣をつけます。
- 誰かに話す前に、日記やメモに自分の考えや感情を書き出します。これにより、内面で欲求を満たします。
- 効果
- 他人からの評価に依存しなくなります。そして、会話で過度な自己アピールや自慢をする必要がなくなります。
- 心の安定が生まれます。そして、会話中にゆとりを持って相手の話に集中できるようになります。
まとめ
ここまで「自分語り」がどのようなものか、なぜ止まらないのか、人間関係の悩みや自己理解との関係などについて説明しました。そして、背後にある根本的な心理として、承認欲求、不安耐性の低さ、自己愛の問題などがありました。また、自分語りが「止まらない」メカニズムは前述の根本的な心理と大きくかかわっていました。それは、快感回路の作動、会話のキャッチボール能力の欠如、「沈黙=危険」と感じる不安耐性の低さなどによって自分語りが止まらないというものでした。そして、具体的に同のような行動なのか、対策について説明しました。
私の周りの「自分語り」の多い人は、承認欲求が満たされない感じがします。そして、多少自己愛の問題が含まれているような気がしました。「自分語り」として要因となる心理を説明しましたが、人によって要因や複合している割合が異なるような気がしました。また、自分語りを減らすことは「我慢」ではありません。そして、自分語りを減らすことが「より良い人間関係の構築」に繋がり、最高のコミュニケーションへの一歩のような気がしました。


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