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みんながマスクしてるので自分も?:同調圧力

心理
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 コロナ禍では周りの人がみんなマスクを着けているから自分も着けるということがありました。また、会社などで「みんなが残っているから」という空気で残業が常態化する。そして、流行の服を購入する、会議でみんなと違う意見を言いにくいなどがあります。

 このように、みんながやっているから、みんなが行っているから安心ということがあります。このブログでは、この「みんながやっているから…」という同調圧力について説明します。以下には、同調圧力がどのようなものか、なぜ起きるのか、有名な実験、例を示します。加えて、同調圧力の行為の裏での脳の働きについても説明します。

同調圧力(Peer Pressure)とは?

 集団から外れることや、他の人と違う行動を避けたいという心理的欲求を持っています。それは、その意見や行動の正否に関わらず、集団の大多数に合わせるべきだというものです。そして、多数派の意見や行動に合わせるよう暗黙のプレッシャーを感じています。そのため、少数意見を持つ人が孤立したり、自身の意見を抑制したりする状況を生み出します。

 このように、同調圧力とは、集団において、個人の意見や行動が、周囲の大多数の意見や行動に合わせるよう、無意識的または意識的に誘導される心理的・社会的圧力のことです。

なぜ同調圧力は起こるのか?

 同調圧力が働く背景には、以下の心理的な要因が関係しています。

  • 規範的同調: 集団のルールや規範に従うことで、集団の一員でありたいと願う心理です。たとえ心の中では納得していなくても、集団からの制裁や非難を避けたい思いがあります。そのために、表面上は同調します。
  • 承認欲求: 他者から認められ、受け入れられたいという欲求です。集団から外れると、孤立したり、批判されたりするのではないかという恐怖を感じます。そして、周りに合わせようとしてしまいます。
  • 情報的同調: 自分が正しい判断を下せるか自信がないとき、「みんながやっているから、それが正しいのだろう」と、集団の行動を正しい情報だと信じてしまう心理です。

有名な心理学実験

 同調圧力の恐ろしさを明らかにした、有名な心理学実験がいくつかあります。

  • ミルグラム実験: 権威への服従を検証した実験です。そして、集団の持つ圧力や規範が個人の行動に大きな影響を与えることを示しました。
  • アッシュの同調実験: 心理学者ソロモン・アッシュが行った実験です。明らかに長さが違う線の問題に対し、サクラの参加者が全員で間違った答えを言う課題です。そして、被験者の75%が少なくとも1回は間違った答えに同調した結果が出ました。

実際の例

  • 会議での意見: 多数派の意見に反対の考えを持っています。しかし、「自分だけ違う意見を言って、雰囲気が悪くなる」と発言を控えてしまう。
  • 流行のファッション: 流行に興味を持っていない人がいます。しかし、「みんなが着ているから」と、同じような服を買ってしまうことがあります。
  • 飲み会での誘い: 行きたくない飲み会に参加してしまいます。その理由が、「みんなが参加するから」ということです。

 同調圧力は、集団の秩序を保つ上で必要な側面もあります。しかし、非合理的な意思決定や、個人の自由な発想を妨げる原因になる可能性があります。

同調圧力と脳の働き

 同調圧力が働いているとき、脳の複数の領域が関与し、感情的な反応意思決定、そして認知機能に影響を及ぼしています。

脳の働きと感情的反応

 扁桃体: 同調圧力に直面すると、脳の扁桃体が活性化します。扁桃体は、恐怖や不安といった感情を処理する部位です。集団から外れることや批判されることへの恐れが、この扁桃体を刺激し、周りに合わせようとする心理的な動機付けとなります。

脳の働きと意思決定

 前頭前野: 脳の前頭前野は、論理的な思考や意思決定を司ります。しかし、強い同調圧力を感じているときは、この部位の働きが抑制されることがあります。これにより、自分の意見や信念を無視し、集団の意見に無批判に従うといった非合理的な判断を下しやすくなります。

脳の働きと認知機能

 報酬系: 同調行動は、脳の報酬系と関連しているという研究もあります。集団の行動に同調することで、私たちは安心感や所属感を覚え、脳の報酬系が活性化し、快感や満足感を得ると考えられています。これにより、同調行動が強化され、繰り返されやすくなります。

まとめ

 ここまでう同調圧力について、同調圧力がどのようなものか、なぜ起きるのか、有名な実験、実例、脳の働きについて説明しました。まず、集団において、個人の意見や行動が、周囲の大多数の意見や行動に合わせるよう、無意識的または意識的に誘導される心理的・社会的圧力のことを同調圧力という説明をしました。そして、脳内での同調圧力について、扁桃体が引き起こす恐怖や不安を避け、前頭前野の働きを鈍らせ、報酬系がもたらす快感を求めた結果として現れるということも説明しました。

 周りの意見に呑まれることはよくあります。そして、周りの意見に呑まれた状態でも問題ないことも多々あります。自分の意見を通さないといけないときにどのように対応するかが難しいような気がしました。

 

 

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